言いづらいこともスマートに。好感度を下げないアサーティブ・コミュニケーション入門

リンクには広告が含まれます
「本当は断りたいのに、つい引き受けてしまった」
「相手のミスを指摘したいけれど、角が立つのを恐れて何も言えない」
「パートナーに不満を伝えたら、ケンカになってしまった」
仕事でもプライベートでも、人間関係の悩みは尽きないものですよね。特に責任ある立場を任されるようになる20代後半から30代の女性にとって、相手を尊重しつつ、自分の意見もきちんと通す「伝え方」は、一生モノのサバイバルスキルです。
言いたいことを我慢し続けてストレスを溜めるのでもなく、かといって感情を爆発させて周囲を攻撃するのでもない。その中間にある、「誠実で対等な対話」を可能にする技術――それが、今回ご紹介する「アサーティブ・コミュニケーション(アサーション)」です。
この技術を身につければ、あなたはもっと自由に、もっと楽に、自分らしい人間関係を築けるようになります。
なぜ、私たちは「NO」と言えないのか?
私たちは幼い頃から、「和を大切にする」「周囲に合わせる」ことを美徳として教育されてきました。そのため、自分の意見を主張することを「わがまま」や「自己中心的」だと捉えてしまいがちです。
しかし、言いたいことを飲み込み続ける「ノン・アサーティブ(受身的)」な態度は、一見衝突せず平和に見えますが、実は自分自身を軽視し、相手に依存する不健全な関係を生んでいます。溜め込まれた不満は、いつか予期せぬ形で爆発したり、心身の不調として現れたりします。
逆に、自分の欲求だけを押し通す「アグレッシブ(攻撃的)」な態度は、短期的には思い通りになるかもしれませんが、周囲の信頼を失い、孤立を招きます。
アサーティブであることは、「私は私を大切にする。それと同じくらい、あなたも大切にする」という、大人の自立した精神の現れです。
魔法の方程式「DESC(デスク)法」をマスターしよう!
アサーティブな伝え方には、基本となる「型」があります。それが、以下の4つのステップからなるDESC法です。

- D:Describe(描写する)
まずは、自分の主観を入れず、客観的な事実だけを伝えます。- NG:「いつも急に仕事を振ってきますよね」
- OK:「現在、明日期限のプロジェクトを3件抱えています」
- E:Express(表現・説明する)
その事実に対して、自分がどう感じているか、どう考えているかを伝えます。- ポイント:相手を責めるのではなく、「私は(I)」を主語にして伝えます(アイ・メッセージ)。
- OK:「このままでは、すべての業務のクオリティが下がってしまうのではないかと、不安を感じています」
- S:Specify・Suggest(特定の提案をする)
相手にどうしてほしいのか、具体的な妥協案や解決策を提示します。- OK:「今回の案件については、着手を明後日にさせていただくか、どなたかにサポートをお願いできないでしょうか」
- C:Consequences(結果を伝える)
その提案が受け入れられた場合(あるいは拒否された場合)の、肯定的な結果を提示します。提案が拒否された場合はもう一度有効な提案を行ってみましょう。- OK:「それであれば、最高のクオリティで仕上げることができます」
この4つのステップに沿って話すだけで、感情的にならず、驚くほどスムーズに自分の意思を伝えることができます。
【シーン別】明日から使えるスマートな伝え方・フレーズの例
具体的な場面を想定して、アサーティブなフレーズをシミュレーションしてみましょう。

1. 【対 上司】キャパシティ以上の仕事を頼まれた時
- NG
「無理です、忙しいので!」(攻撃的)
「…分かりました、やります(涙)」(受身的) - アサーティブ
「今、Aのプロジェクトを最優先で進めており、本日の20時までは手が離せない状況です(D)。このまま追加で引き受けると、どちらも不十分な成果になってしまうのが心苦しいです(E)。もし、Aの期限を明日に延ばしていただけるなら対応可能ですが、いかがでしょうか(S)。そうすれば、Bの資料も本日中に完璧に仕上げられます(C)」
2. 【対 同僚・後輩】ミスを指摘しなければならない時
- NG
「なんでこんなミスしたの?確認が足りないんじゃないんですか。」(攻撃的)
「あ、ここちょっと違うかも、まあ私が後でなおせばいいか…」(受身的) - アサーティブ
「提出された資料のこの数値が、元のデータと異なっています(D)。正確な情報を提供することが私たちの信頼に繋がるので、ここは慎重に確認してほしいと考えています(E)。もう一度だけ数値を照合して、修正してもらえますか?(S)。修正できれば、自信を持って会議に出せます(C)」
3. 【対 パートナー】家事の分担に不満がある時
- NG
「なんでいつも私ばっかりやってるの!」(攻撃的)
「喧嘩になると面倒だし私がやっちゃお」(受身的) - アサーティブ
「最近、私の残業が増えて、家事をする時間が夜遅くになっているよね(D)。正直に言うと、体力的にも精神的にも余裕がなくて、とても疲れてしまっているの(E)。週に3日だけでも、洗い物をお願いできないかな(S)。そうすれば、寝る前に二人でゆっくり話す時間が作れると思うんだ(C)」
また、日頃から「自分は何を大切にしたいのか」を言語化しておくことも有効です。自分の価値観が明確であれば、それを守るためのNOを堂々と言えるようになります。
さらに自分を磨きたいあなたへ。おすすめのリソース
コミュニケーションは、一朝一夕で身につくものではありません。良質な情報を浴び続けることで、少しずつ伝え方の回路が書き換わっていきます。
- Audible(オーディブル)で学ぶ
忙しい通勤時間も、コミュニケーションの名著を聴くことで学びに変わります。オーディブルでは、プロの声優や俳優、朗読家が読んでくれるので、『アサーティブ・トレーニング』関連の書籍は、ナレーションで聴くと実際のトーンも学べて効果的です。 - メンタルケアアプリを活用する
どうしてもNOと言えない心のクセがある場合は、専門家とチャットや通話で話せるアプリを利用してみるのも手。自分の認知の歪みに気づくことで、伝え方は劇的に変わります。
Amazon Audible1ヶ月無料体験キャンペーン
まとめ
言葉が変われば、人間関係のストレスは消えていく。
アサーティブ・コミュニケーションは、単なるテクニックではなく、「自分を尊重する生き方」そのものです。
最初は勇気がいるかもしれません。でも、あなたが誠実に自分の意思を伝え始めたとき、周囲の反応も確実に変わり始めます。あなたを本当に大切に思っている人なら、あなたのNOを尊重してくれるはずですよ。
